3月7日、21時半、某一方通行の道を車で走らせていました。
彼女の家に向かう途中で、早く帰りたい気持ちはあったと思います。
でも、だからといって決してスピード違反はしていませんし、
交通規則も守っていました。
本当です。
雪が降っていたので、視界がひどく見難かった記憶があります。
ワイパーは最大限でした。
前方に路上駐車している車があったので、
その車を避けるために大きく膨らみました。
速度も落としました。
路上駐車している車を追い越すときに、車の左側が何かにぶつかった気がしました。
もしかしたら路上駐車している車にぶつかったかなと思い、
バックミラーで、後方を確認してみると、
路上中車している車の前で女性が地面に倒れていました。
急いで車を停め、倒れている女性に声をかけ、救急車と警察に電話をしました。
2011年3月30日水曜日
2011年3月24日木曜日
札幌交通事故物語 第四話:マキ
大通公園付近のカフェに、マキの姿があった。
マキは窓辺のカウンター席に腰をかけ、暗くなった窓の外の車の流れを眺めながら
湯気の出たコーヒーをすすった。
マキの趣味はカフェ巡りだ。
密かに札幌のカフェに関するブログを書いている。
会社の人にも、友達にも内緒だった。
会社のお昼休みに、パソコンで札幌のカフェを検索して、
仕事帰りに検索したカフェに寄って、
家に帰ってブログを書く。
それがマキの日課だった。
我ながら地味な趣味だと思った。
でもいいんだ。何気にブログは人気があって、アクセス数もまぁまぁある。
継続して記事を書くことがその秘訣だと思っている。
見えない誰かと繋がっている。
マキはそれが嬉しかった。
携帯電話の時計を見たら9時を過ぎていた。
家に着くのは9時半過ぎか。少し長居しすぎたみたい。
マキはカフェを後にした。
トラフィックは帰宅する車が群れをなしている。
雪が降っているので道がびちゃびちゃで歩きにくい。
でも、外の雪が、街の灯りに照らされて、綺麗で、
いつもなら地下鉄に乗るところだが、歩いて帰ろうと思った。
なぜだかわからないけど、その時はそうしたいって、思った。
ipodで音楽を聞きながら、雪降る喧騒の中を歩いている自分は、
なんだか現実からかけ離れている感じがした。
だから、後方の車のライトには気づいていたけど、
特に何も思っていなかった。
次に目覚める、その時までは。
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マキは窓辺のカウンター席に腰をかけ、暗くなった窓の外の車の流れを眺めながら
湯気の出たコーヒーをすすった。
マキの趣味はカフェ巡りだ。
密かに札幌のカフェに関するブログを書いている。
会社の人にも、友達にも内緒だった。
会社のお昼休みに、パソコンで札幌のカフェを検索して、
仕事帰りに検索したカフェに寄って、
家に帰ってブログを書く。
それがマキの日課だった。
我ながら地味な趣味だと思った。
でもいいんだ。何気にブログは人気があって、アクセス数もまぁまぁある。
継続して記事を書くことがその秘訣だと思っている。
見えない誰かと繋がっている。
マキはそれが嬉しかった。
携帯電話の時計を見たら9時を過ぎていた。
家に着くのは9時半過ぎか。少し長居しすぎたみたい。
マキはカフェを後にした。
トラフィックは帰宅する車が群れをなしている。
雪が降っているので道がびちゃびちゃで歩きにくい。
でも、外の雪が、街の灯りに照らされて、綺麗で、
いつもなら地下鉄に乗るところだが、歩いて帰ろうと思った。
なぜだかわからないけど、その時はそうしたいって、思った。
ipodで音楽を聞きながら、雪降る喧騒の中を歩いている自分は、
なんだか現実からかけ離れている感じがした。
だから、後方の車のライトには気づいていたけど、
特に何も思っていなかった。
次に目覚める、その時までは。
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2011年3月22日火曜日
札幌交通事故物語 第三話:ダイスケ
残業中、彼女から携帯メールに受信があった。
「今日、会いたい。」
とのこと。彼女は絵文字を殆ど使わない。
その素っ気無さが魅力でもあった。
でも、ここ最近のダイスケは、季節の変わり目のせいか気分はいつも重たい。
彼女からのこんなメールにも心浮かれることはなかった。
付き合って来月で1年が経過する。
年齢的に、お互いそろそろ結婚を考えなければなないのだが、
彼女からその話を匂わせるようなことはなかった。
会いたい時に会い、美味しいご飯を食べて、最近のお互いの話をし、
次の約束もしない。喧嘩もしない。つかず離れず、そんな関係だ。
それが居心地よくて、一緒にいるんだろうな。
ダイスケには時々、冷めた第三者の目があって、
その第三者がそう言っていた。
彼女が「この人」ではないと。
そう思うと、ダイスケは不思議と胸が痛んだ。
彼女のことを思う気持ちはもちろんあるのだ。
今日は早い目に残業を切り上げて、彼女に会いに行こうと思った。
外は、まだ雪が降っていた。
気温がそれほど低くないせいだろう、道は溶けた雪でグチャグチャだ。
仕事を終えたダイスケは、車を走らせた。
溶けかけの雪にかなり足元を取られる。
ワイパーは最大限だ。
今日のこの道が、ダイスケの運命を大きく変えることになるとは、
その時のダイスケも、彼女も、第三者でさえも予測してはいなかった。
「今日、会いたい。」
とのこと。彼女は絵文字を殆ど使わない。
その素っ気無さが魅力でもあった。
でも、ここ最近のダイスケは、季節の変わり目のせいか気分はいつも重たい。
彼女からのこんなメールにも心浮かれることはなかった。
付き合って来月で1年が経過する。
年齢的に、お互いそろそろ結婚を考えなければなないのだが、
彼女からその話を匂わせるようなことはなかった。
会いたい時に会い、美味しいご飯を食べて、最近のお互いの話をし、
次の約束もしない。喧嘩もしない。つかず離れず、そんな関係だ。
それが居心地よくて、一緒にいるんだろうな。
ダイスケには時々、冷めた第三者の目があって、
その第三者がそう言っていた。
彼女が「この人」ではないと。
そう思うと、ダイスケは不思議と胸が痛んだ。
彼女のことを思う気持ちはもちろんあるのだ。
今日は早い目に残業を切り上げて、彼女に会いに行こうと思った。
外は、まだ雪が降っていた。
気温がそれほど低くないせいだろう、道は溶けた雪でグチャグチャだ。
仕事を終えたダイスケは、車を走らせた。
溶けかけの雪にかなり足元を取られる。
ワイパーは最大限だ。
今日のこの道が、ダイスケの運命を大きく変えることになるとは、
その時のダイスケも、彼女も、第三者でさえも予測してはいなかった。
2011年3月17日木曜日
札幌交通事故物語 第二話:ダイスケ
札幌は3月も終わりだというのにまだ雪が降っていた。
気温が温かい時の雪は、結晶同士がくっついて大きな雪の塊になる。
桜の花が散っているみたいだ、
ダイスケはそんなことを思いながら車を走らせていた。
札幌の春は遅く、桜の開花も本州に比べて一ヶ月遅い。
ダイスケの自宅から職場までは車で20分だ。
彼は毎朝、この道を車で通って通勤している。
一般道を使用すれば信号に捕まってしまうが、
裏道を使用するので20分で通勤できるのだった。
ダイスケはこの道をよく知っている。
ダイスケは一人暮らしだが、実家は目と鼻の先にある。
彼は、この道をランドセルを背負っていた頃から通っていた。
信号のない裏道。一軒家の多い閑静な住宅街で、見通しはあまりよくない。
ある一軒家の庭には大きな桜の木が植えてあって、幾度とない春を
この道の桜と共に過ごしてきた。
急に込み上げてくる郷愁は、
フロントガラスににじむ雪の花のように溶けては降り続けるのだった。
春はもう近い。
気温が温かい時の雪は、結晶同士がくっついて大きな雪の塊になる。
桜の花が散っているみたいだ、
ダイスケはそんなことを思いながら車を走らせていた。
札幌の春は遅く、桜の開花も本州に比べて一ヶ月遅い。
ダイスケの自宅から職場までは車で20分だ。
彼は毎朝、この道を車で通って通勤している。
一般道を使用すれば信号に捕まってしまうが、
裏道を使用するので20分で通勤できるのだった。
ダイスケはこの道をよく知っている。
ダイスケは一人暮らしだが、実家は目と鼻の先にある。
彼は、この道をランドセルを背負っていた頃から通っていた。
信号のない裏道。一軒家の多い閑静な住宅街で、見通しはあまりよくない。
ある一軒家の庭には大きな桜の木が植えてあって、幾度とない春を
この道の桜と共に過ごしてきた。
急に込み上げてくる郷愁は、
フロントガラスににじむ雪の花のように溶けては降り続けるのだった。
春はもう近い。
2011年3月11日金曜日
札幌交通事故物語 第一話:ダイスケ
ダイスケはひどく疲れていた。
携帯のアラームの音は聞こえていたが、起き上がって携帯を取りに行き、
それを止める気力は彼にはなかった。
このままもう一回 寝てしまいたい・・・
ダイスケは布団を頭まですっぽりとかぶった。
テレビを付けたまま寝てしまったのだろう。
朝のニュースが聞こえてきた。
今日は3月11日、札幌の交通事故が多発しているという特集だった。
今年が始まって3ヶ月目にして、もうすでに262件の交通事故が発生している。
うち、死亡者数は6名だそうだ。
まだ3ヶ月なのに…
いや、今年が始まってすでに3ヶ月が経過してしまっている。
来年度には新入社員が入ってくる。
何もかもがダイスケにはどうでもよかった。
今の仕事に興味が有るわけでもない。
金のため、ひいては生活のためにただのうのうと生きている。
そんな感じだ。
充実感も達成感も何も無い。
今の彼女と結婚を考えているわけでもない。生涯ずっとこのまま?
携帯のスヌーズ機能で、アラームが再び鳴り始めた。
ダイスケは思考を止め、ゆっくりと布団から起き上がった。
テレビは、札幌の交通事故のニュースから天気予報に変わっていた。
つづく
携帯のアラームの音は聞こえていたが、起き上がって携帯を取りに行き、
それを止める気力は彼にはなかった。
このままもう一回 寝てしまいたい・・・
ダイスケは布団を頭まですっぽりとかぶった。
テレビを付けたまま寝てしまったのだろう。
朝のニュースが聞こえてきた。
今日は3月11日、札幌の交通事故が多発しているという特集だった。
今年が始まって3ヶ月目にして、もうすでに262件の交通事故が発生している。
うち、死亡者数は6名だそうだ。
まだ3ヶ月なのに…
いや、今年が始まってすでに3ヶ月が経過してしまっている。
来年度には新入社員が入ってくる。
何もかもがダイスケにはどうでもよかった。
今の仕事に興味が有るわけでもない。
金のため、ひいては生活のためにただのうのうと生きている。
そんな感じだ。
充実感も達成感も何も無い。
今の彼女と結婚を考えているわけでもない。生涯ずっとこのまま?
携帯のスヌーズ機能で、アラームが再び鳴り始めた。
ダイスケは思考を止め、ゆっくりと布団から起き上がった。
テレビは、札幌の交通事故のニュースから天気予報に変わっていた。
つづく
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